〜二極化への挑戦〜


 連合愛媛では、昨年に引き続き各地域協議会での『春闘学習会』を開催しました。
 3月1日の四国中央地協を皮切りに、今治(3日)→西条(4日)→中予(7日)→宇和島(11日)→新居浜(14日)、最終は八西地協(16日)で開催し、延べ266名の皆さんに参加いただきました。

 大手労組の殆どは、この時期はまさに交渉真っ只中という一年で最も忙しい時期です。「地場中小をにらんだ連合春闘」という位置づけの学習会とはいえ、準備・手配下さいました地協役員の皆様方におかれましては大変ご苦労をおかけしました。昨年同様、成功裏に終えることができましたのも皆様方のご協力のおかげと感謝しております。

 今回は、連合愛媛の『春闘方針』というよりむしろ、「何ゆえにその方針立てをしたのか?」といった情勢認識に焦点を絞ったお話をさせていただきました。つまり、『拡がる格差と歪』の部分です。同じ仲間内(連合組合員)でも二極化している実態。組織化されていない労働者や非典型労働者(パート、バイト、派遣等)との格差。東・中・南予の地域間格差。そういった問題を具体例を示しながら明らかにし、今後展開される地場中小の交渉に役立てていただきたいからでした。


 加えて今回は「連合とは?」といった甚だ失礼な議題も用意させていただきました。参加者の顔ぶれを見て省略するしないを判断させていただくつもりでしたが、結局、全地協でやらさせていただきました。しかも、連合の組織拡大用の機材(未組織の皆さん方用)のコピーを使ってです。というのも、昨今どこの組織も労組リーダーの代替わりが進み、若い役員さんが大勢参加されます。そして、昨年もそうだったのですが、この種の会議で話の送り手と受け手とで『連合運動』に対する認識にズレがあることに気付きました。
 多くの組織では『労働組合』について、単組の(せいぜい産別の)組合運動までを周知させるのが精一杯で、なかなか『連合運動』までは手が回らないのが実態じゃないでしょうか。例えば、「単組ではこの時期、春闘真っ盛りだというのに、『政策制度の要求行動』ってことで連合・地協から動員要請されて…、連合は一体何考えてるんや?」って声を聞くことがあります。「『政策制度の要求実現』は連合の最大の役割だ」ってことより、それを決めて全国展開しているのは皆さんとこの産別なんですよってことです。
 「連合をもっと世間に知ってもらおう」っていろいろやっていますが、まずは仲間内(組合員)から始めなくてはいけません。普段の我々の説明不足も反省しながら、大変失礼とは思いましたが『連合』について時間を割かせてもらいました。


 それと今ひとつは、一般労働者から寄せられる相談事例の紹介です。無茶苦茶酷いです。昨年はメモ書き程度だったですけど、今年は敢えて冊子にしてお配りさせていただきました。学習会の中でもお話しましたように、この『何でも相談ダイヤル』運動はずぅーと前からやってる運動です。ただ数年前までは年2回程度1週間ずつ実施し、キャンペーン期間が終わればその事例メモはロッカーへしまい込んでいました。「連合の組合費を使って組合員外にサービスをする」って後ろめたさがあったのか無かったのか?確かに昔の記録を読み返してみると、無料で相談にのってやってる。って感じもあります。本当にそれでいいんだろうか?そんな思いを持った地方連合会は多数あったと思います。今では連合愛媛では年間を通して窓口をあけていますし、専門のアドバイザーも配置しています。そして、全国ネットで事例も集約し情報の共有化ができるようになりました。

 この事例集。単組レベルでは結構評判いいうようです。労働組合の存在意義を相対比較で訴える好材料となり得るらしいです。まあ、そういった使い方も否定はしませんが、今回敢えて取り上げたには別の意味があります。
 「この『労働相談』運動も何年か前までは、ひょっとすると『他人事』をサービス(無料)で相談にのってやってるって感覚があったかもしれません(確かにこういったことをきっかけに仲間を増やすといった『組織拡大』の一手法という側面は今もあります)。しかし、『今や決して他人事ではない』という実態があるのも事実なのです。組合員自身が相談者というのは少ないですが、我々の配偶者だったり、息子や娘だったり、お母さんだったりするんです。皆さんのお子さんはいわゆる『正規』労働者たりえてますか?奥さんは時給600円程度で『あんたの替えなら幾らでもおるから、気に入らんかったら辞めてもらって結構』って言われながら働いてませんか?」
 ということです。
 私たち連合愛媛は、これからもこの種の相談事こそまさに『我が問題』と受け止め、堂々と組合費を使わせていただこうと思ってます。この資料については、行政はもとより経営者団体へも提供させていただきました。HPへの掲載については、いま少し見合わせさせていただいてますが、機会があればUPしようと思っています。組合員の皆様におかれましては是非ともご理解いただきますようお願いいたします。


 最後になりますが、今回の学習会でうれしかったことをひとつ紹介します。実はある地協の学習会の当日朝に当該地域のある労組委員長から電話を頂きました。「おたくのHPに春闘学習会の日程がのってたけど、連合に入っていない組合でも聞きに行ってもいいでしょうか?」もちろんWELCOMEです。懇親会にも参加していただきました。是非仲間になっていただきたいものです。そしてこの地協では他に2組織、数名の組織外参加者がおられました。来年は全地協で、このように同じ地域の暮らす(連合外の)働く仲間の参加があることを期待して今学習会の報告を終わらせていただきます。
 来年もやりましょう!

連合愛媛2005春闘学習会