政・官・業ゆ着と天下り、行政の私物化を止めさせよう
2002年  月  日

衆議院議長 綿貫民輔 様
参議院議長 井上  裕 様
紹介議員                     印
請願者   名前        外       名
    
 住所
請願の要旨

 いま、国民が行政に求めているのは、責任ある国民本位の行政を推進して、安心・安定・安全な市民生活を保障することです。行政評価制度を抜本的に強化し執行課程を国民に開示するとともに、それを支える中立・公正な公務員制度へ改革することが不可欠です。
 しかし、特定政治家と霞ヶ関の一部キャリア官僚が密室で取りまとめ、閣議決定された「公務員制度改革大綱」は、私たちが求める改革に逆行しています。
 「大綱」は、特権的官僚制度を温存し、国民から批判の強い天下りを「自由化」することなどに象徴されるように、政・官・業のゆ着を断ち切る仕組みがとられていません。また、労働基本権を引き続き制限したまま、使用者側の人事管理権限のみを強めようとしています。
 こうしたことから、私たちは、「大綱」を撤回して公務員にも民間と同じように労働基本権を確立し、21世紀社会にふさわしい透明で民主的な公務員制度改革の実現のため、以下の内容を強く請願いたします。

請願事項
一 「公務員制度改革大綱」を撤回し、国民と労働組合が参加した公正・透明な公務員制度改革案を作ること。
一 T種試験採用組が優遇される特権的官僚制度を廃止し、政・官・業ゆ着を助長させる天下りを全面的に禁止すること。
一 公務員に労働基本権を保障し、対等・平等な労使関係制度を確立すること。

名    前 住     所











《取扱団体》
日本労働組合総連合会
連合官公部門連絡会

〒101-0062 東京都千代田区神田駿河台3-2-11
総評会館内 TEL03-3251-7799
取扱
団体



                                     



《請願事項の説明》
一 「公務員制度改革大綱」を撤回し、国民と労働組合が参加した公正・透明な公務員制度改革案を作ること。
 今日、外務省のキャリア官僚と一部政治家との関係にみられるような政官のゆ着、BSE(牛海綿状脳症=狂牛病)の発症や危険な血液製剤の使用放置などに象徴される国民不在の行政がまかり通っています。長年にわたる一部政治家・特権的なキャリア官僚・特定業界とのゆ着がもたらしたもので、こうした問題の"処方箋"こそ、国民が求める公務員制度改革です。
 しかし、政府が閣議決定した「公務員制度改革大綱」は、特定の政治家と霞ヶ関の一部キャリア官僚の密室での作業ででっち上げたもので、極めて問題です。中立・公正で透明性の高い行政の推進という、国民がのぞむ改革からほど遠く、内容もキャリア官僚のための「お手盛り」そのものです。
 政治と行政を市民の手に取り戻すため、「大綱」を撤回させて、いま一度、広く国民に開かれた議論をおこし、「多様なニーズを的確に政策やサービス。事業に反映させる」という公共サービスを進めるための透明で民主的な公務員制度改革が必要です。


一 T種試験採用組が優遇される特権的官僚制度を廃止し、政・官・業ゆ着を助長させる天下りを全面的に禁止すること。
 現在、国の行政は、キャリア官僚中心の人事が軸になり、「お役所」意識が蔓延し、特権的・排他的・不透明な行政がまかり通っています。
 こうした仕組みは、採用時から選別してT種試験採用のキャリア組を特別扱いし厚い処遇を行っている国家公務員の人事制度に問題があります。「大綱」は、この問題に応えるどころか、逆に特権的なキャリア官僚を集中的に育成する制度をつくり、固定化をはかろうとしています。私たちは、特権的で時代遅れのキャリア制度は廃止すべきだと考えます。
 天下りについては、これまでの人事院による事前のチェックをなくし、各府省の大臣による承認のもとで行えるように、「自由化」しようとしています。「民間への天下りが野放図になる」とマスコミでも指摘しているように、業界とのゆ着につながります。私たちは、国民からきびしく批判されている天下りは全面的に禁止すべきだと考えます。


一 公務員に労働基本権を保障し、対等・平等な労使関係制度を確立すること。
 わが国は、公務員の労働基本権に着いて、先進諸国では類を見ないほどきびしく制限しています。非現業公務員の場合、民間労働者のように賃金・労働条件を労使の交渉で決めることができず、第三者機関である人事院(地方自治体では人事委員会)が政府(地方自治体)・国会(議会)に勧告して、法律(条例)で決める仕組みとなっています。こうした労働基本権の制限についてはILO(国際労働機関)からも、日本政府に対して「国際労働基準に違反している」との指摘がなされています。
 「大綱」は、交渉する権利を制限したまま、内閣と各府省大臣の人事管理権限を一方的に強め、信賞必罰の人事管理を行うようにしようとしています。制度を見直すのであれば、投資対等の立場で物事を決めていくという団体交渉制度を確立してパートナーシップに基づく近代的な労使関係に改めるべきです。
 労働基本権を保障することは、閉鎖的な行政の企画・立案による弊害に対して、広く公務の運営に関わって職員がその決定に参加する制度を確立することになります。その結果、行政に対する内部からのさまざまなチェックを可能とし、市民の意思を行政に反映させることにもつながります。